「マイ・バック・ペイジ」を見て

 先日、「マイ・バック・ページ」を家族で見てきた.過激派に走る松山ケンイチが印象的で、ラストの妻夫木の男泣きには、ついつられて涙ぐんでしまった. 
 ところで、過激派に走って基地に忍び込み、行きがかり的に殺人を犯してしまった赤邦軍(ホントは過激派ごっこ軍)の面々は、それほどの悪なのだろうか。
 あの時代、構造的暴力の下にあって自分たちの繁栄があることに気づいた若者たちは、ノーと叫んだ。体制側は、日本だけでなく、アメリカでも、暴力でその叫びを押しつぶそうとした。シカゴの初期に、それを唄った曲が あったと思う。 
 映画の中で、松山ケンイチが宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が大好きだというシーンがあるが、ここに彼の本当の動機が隠されているように思う。 ラストの方で、妻夫木が松山に「君は思想犯だよね」と確認するシーンがある。それに松山は答えられない。「君はだれなんだ」と尋ねるシーンもある。 それに対しても松山は答えられない。 
 松山には、思想と呼べる思想はない。ただ、カンパネルラになりたかったのだ。ただ、構造的な暴力の下で苦悩に喘いで いる人々を救いたいという単純な「心情」があっただけなのだ、と思う。 ホンモノになりたかった「心情犯」。これが、彼らの動機であろう。
  ATG映画で 「ヒポクラテスたち」というのがあった。その中で、「自分にないものを相手は持っているように思えたが、やはり、相手も持っていなかった」というようなセ リフがあったと思うが、映画を見ながら、松山も、妻夫木も、その他の人々も、みな、これで行動していたように思えてならなかった。
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by spanky2011th | 2011-06-24 23:13 | 世相 妄想随談