「共有地」には悪魔が棲息してしまう悲劇

 反原発運動に絡んで、とんでもない妄想を抱いてしまい、真面目に取り組んでいる人たちを不愉快にさせてしまったのではないか、と危惧しています。
 しかし、言い訳をさせてもらいます。かなり以前に読んだ本に、それに近いことが書いてあったのです。
 1970年代のこと。オイルショックがあったころに似た話があったのです。アメリカの石油資本の大会社が、こっそりとエコ運動グループに、資金提供をして、化石燃料の使用反対運動を展開させていたというのです(アメリカの話なので、ウラを取っていませんが……)。
 その年、大型タンカーの座礁などがあり、その会社は大赤字が決定的な状況。そこへオイルショック。会社の屋台骨を揺るがされているなかで、その会社は、せっせと自分の石油を掘っては売らなくてはならない状況に追い込まれました。ジェームス・ディーン主演映画「ジャイアント」で知られている通り、アメリカは莫大な石油埋蔵国でもあるのです。しかし、それは最後の切り札。最後まで残しておこう、というのがその会社の基本戦略なのです。
 そこで、考えついたのが、石油をあまり売らないで、儲けを生むという、魔法のような一手なのです。
 経済界からは石油の提供を求められても、「反対運動が激しくて、石油が掘れないのですよ」といいわけし、石油産出量の増大には乗り出さない。みるみる、石油の値段は高騰し、あっという間に、大型タンカーの座礁分の損失を埋めて剰りある利益を生み出すことが出来たのです。
 
 この知識が、あの妄想を生み出したのだろう。と、いきなり口調が変わるが、さて、「ソフト・マシーン」の話だが、エコ運動、原発反対運動のような草の根の運動も、組織である以上、「メガ・マシーン」化は避けられない運命である。
 動機は純粋でも、いつしか、その組織を利用して、金儲けを企む不逞の輩が入ってくる。みんな、自分の部署のことで手一杯になり、周りのことが見えなくなってくる。真面目で、責任感のある人ほど、自分の部署に固執する。また、そうでなくてはならない。
 市民運動のような組織は、だれのモノでもなく、みんなのモノ。ある意味、共有地だ。ほとんどの人が純粋な動機で、社会を良くしようと働いている。みんなで、この組織を監視し、問題点があったら、改善していこう、ということになっているが、実際は、みんな、自分の仕事で手一杯。
 そこへ、とんでもない野心を抱いた人物が入ってくる。弁舌さわやかで、打てば響くような名調子で、ズバリ、ズバリと最先端の知識を披露してくれる。
 彼をトップにすえれば安泰だ、と思ったところで、また、私の悪い癖の妄想が暴走しだしたぞ。

 最先端医療の手術室では、いま、手術がおこなわれている。それを、ガラス越しに2階から眺めている人物がいる。
(テレビ「医龍」のワンシーンを連想してもらいたい)
「会長、新しい医院長の腕前は、いかがですか」
「うーむ。イマイチ、イマニ……」
「そんなにひどいのですか。彼は努力家で、海外の、最先端の医療知識にも造詣が深く、医学会の論客として名前も売れているのですよ。そんなに、ひどいわけが……」
「病院は今はどこも経営状態が悪い。ムダをなくせば、もっと資金の余裕がでてくる、というので、やつのチームに、事業仕分けをさせてみたじゃないか。大山鳴動して鼠一匹もでてこなかったのを忘れたか」
「でも、経営はまだ不慣れで。でも、手術の腕の方は……」
「ところが、もっとひどいのだ。そこのマイクのスイッチをいれてみな。」
 スイッチを0Nにすると、手術室の声が聞こえてくる。
「あの人、なにを考えているのだか、ちっともわからないわ」
「生検で済むようなことなのに、なんで、患者を手術しなくてはいけなかったのかしら。」
 看護士の声だ。
「いいか、みていろ。あいつの鼻が赤くなってきたぞ。そろそろ、術式を変えるというぞ。」
と、会長と呼ばれた男がつぶやいた。
「そんなことがわかるのですか」
「観察していれば、判るようになる。このままでは、あの患者は奴に殺されてしまう。」
 スピーカーから、医院長の声が流れてきた。
「ストレステストを行う」
「えっ!」
 チームのみんなが唖然としている。
「そんなの、ヨーロッパでは当たり前のことなんだ。」
と、どなり口調の医院長の声が流れてくる。
「この前、医院長を変えようという動きがあった時、やつは辞任をほのめかした。それで、なんとか、その場は逃れた。でも、いつ、やめるか、はっきり明言しなかった。いま、やつは必死なんだ。一発逆転をねらい、手柄を立てなくてならないのだ。だから、いまのあいつが一番怖い。なにをしでかすか、わからん。あっ、まずいぞ。患者の顔色が変わってきた。このままでは……」

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by spanky2011th | 2011-07-12 19:08 | 世相 妄想随談