題述構文のパターン認識はこうだ

分析・帰納法では日本語は理解できない

 ちなみに、文法学者によると、日本語の文を大きくわけると、以下の三つがあるとされているらしい。この文法学者というのは、ただド真面目に橋本文法が急造した品詞でひたすら膨大な量の日本語文章を分析し、共通点を探しまくっていれば、帰納法でいつか、正しい答えに辿り着けるという信仰を持っている人たちのことだが。

「動詞述語文」……犬が(は)走る。
「名詞述語文」……彼は(が)人間だ。吾輩は(が)猫だ。
「形容詞述語文」……彼女は(が)美しい。犯人は(が)悪賢い。

 しかし、私は、「名詞述語文」「形容詞述語文」の両方を一つとして考えるのだ。そして、なにより大切なのが「である」である。辞書などでは「助動詞」と、動詞より格下扱いされているが、実はこの「である」はとても重要な働きをしている。「だ」も「体言止め」も同じで、「である」の仲間にすぎない。

「基本文型1は変幻自在で、神出鬼没(1) 」でも触れたが、仏教の考え方十如是「相・性・体・力・作・因・縁・果・報・本末究境等」の、ほぼ無限大にある「属性」の中から一つをとりあげ、「である」と「義」を定めるために使用しているのだ。動詞などの場合は「こと」「もの」「の」の形式名詞を付け加えているだけ。

彼は、ネコみたいである。
彼は、短身である。
彼は、耳が欠けてる。
彼は、声が大山のぶ代にそっくりである。
彼は、ドラ焼きが好きである。
彼は、ネズミが嫌いである。
彼は、親切である。
彼は、金属である。
彼は、精密機械だ。
彼は、走るのである。
彼は、歩くのである。
彼は、歌うのである。
彼は、いろいろな発明品で、色々な事件を起こすのである。
彼は、博士に作られたのである。
彼は、友達がノビ太である。

文型1Aの場合は、
「主題」は「属性」
というパターンがあって、その中に、自立語をポンポンと投げ込んでいるだけなのだ。

 限りなくある属性の中から、話者がその一つを選択して「義」を「定」めるのが「である」の働きである。
 たとえば、三島由紀夫が「文章読本」で書いている「世界一の美女」の記述の仕方。
「彼女は世界一の美人であった。」
と書いたら、誰が文句をつけようと、世界一の美人なのである。
 事実など、関係ない。ただし、作品の読者は「この作家、趣味悪いよね。キモーイ。」と思われるかもしれないが。

 話を戻そう。
 私たちの言語活動は、文節や助詞などを正しく組み合わせて、帰納法的に「正しい文章」を作っている訳ではない。パターン認識で、直感的、演繹的に使用しているのだ。脳がそのようにできているのだから、どうしようもない。フランスの思想家ベルグソンの考え方が有効だ。ちなみに、橋本文法は、植物や動物をジャンル分けすることが科学的であると信じられていた「ベルグソン以前」に作られている。

「私  山  好き」
という三つの自立語が並んでいたら、スペース部分に勝手に助詞を補填し、「私は山が好き」と理解してしまう。

 暗闇で、逆三角形のものを見て、その中に点が三つはいっていたら、心霊と思い込んでしまう。これなどは、パターン認識の最たるものだ。
 木からおりて生活を始めたご先祖様たちは、身を守るために、闇の中に潜む敵をすばやく発見しないと、生命の危機にさらされた。逆三角形で眼らしきものを見たとたん、敵だと思い込むようにできているのだ。
 いちいち、三角形のものがあって、眼らしきものがあるから敵かもしれない、などと考えていない。見たとたんに、ご先祖様たちは逃げ出してしまうのである。
 しつこいようだが、パターン認識なのだ。

「椅子がある(動詞)」
「椅子がない(形容詞)」


は、同じなのである。これを「動詞述語文」「形容詞述語文」と、別物と考えること自体が不自然なのだ。

文型1Bの「はが文」の場合は、
「主題」は「着眼点」が「属性」
というパターンがあって、その中に、自立語をポンポンと投げ込んでいるだけなのだ。

「だれそれの話ですよ」(主題)+「なになに」(着眼点)+「どうした」(属性)

(1)彼は目が青い。
(2)彼はウナギが好き。
(3)彼は娘が結婚した。

「(2)彼はウナギが好き。」の場合の「が」について、分析派はこの「が」は目的格の助詞である、というように理解する。
(1)(3)は主格の助詞であるそうだ。

文型2の陳述構文なら、「が」ではなく、「(2)彼はウナギを好いている。」というように「を」が用いられる。

 小学生・中学生の国語の時間で学ぶ学校文法は、あまりに古すぎて、無意味の極めつけ。というより、日本語の正しい理解の妨げになるばかりで、百害あって、一利しか利益がない。その一利も、無意味なことにも努力すると言う「忍耐力をつける」という一利しかないのである。
 学校文法は、撲滅されるべきだ。

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by spanky2011th | 2011-08-27 16:14 | 日本語  基本の3文型