陳述構文について

 さて、陳述構文についてだが、書かれた文書を手にしてみれば一目瞭然。新聞でも雑誌でも、何でもいい。とにかくほとんどが、この構文である。
 どういうのかというと、「ぼく、それ、たべたい」という幼稚園生児が使う言葉も、「どうか、私を政治家にさせてください。お願いします」という政治家の使う言葉も、この陳述構文である。
「日本語の語順には法則性がない」などとほざく御仁もいるが、ちゃんと基本形があって、TPOによって、語順がさまざまに変化していっているのだ。

 その一番スタンタードな語順は、

時格 + 場所格 + 主格 + 与格 + 対格 + 動詞

といわれている。これは、たくさんの雑誌の文章で統計を取った結果、でてきたものだ(国立国語研究所報告25)。
  覚えたければ覚えてもいいが、無理に覚える必要はない。
 しかし、ほんと、ご苦労様。そんな苦労をしなくても、私たちには過去のすぐれた知的財産が残されているのだ。それは、次の文だ。

坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた。

 主格 + 与格 + 対格 + 動詞だけでなく、副詞まで入っていて、これを基本として、日本語を考えた方が、ずっと、まともな文章が書けるようになれるのだ
 おい、おい。時格 + 場所格 が抜けているではないか、とつっこまれてしまうが、心配は不要。

きのう、お寺で、坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた。

これでカンペキ。
 この基本文を頭に入れておけば、陳述構文は大丈夫なのだ。しかも、5W1Hといわれるが、そのほとんどの要素が含まれてしまっているのだ。

 この基本形があって、あとは、言語主体(つまり話し手)がなにを重要かと考えるかである。その重要な部分が当然前に出てきて、相手に強く印象づけようとする。

 日本の国宝とも呼べるすばらしい坊主の絵を、きのう、お寺で、坊主が屏風にすばやく描いた。

となるのだ。

  完全密室殺人事件が起きた昨夜、坊主である彼は、お寺で、屏風に上手に坊主の絵を描いていた。だから、彼にはアリバイがあるのだ。

 となるのだ。

 統計を取れば、科学的と信じている人々が多いようだが、この言語主体への洞察なくして、日本語を考えるとはまったく、バカバカしい限りだ。

[PR]

by spanky2011th | 2011-10-27 17:38 | 日本語  基本の3文型