ありきたりな魔法の話  第五章

ありきたりな魔法の話
           あのや あきら




第五章 山火事つかみ網
「パパ、とうとういねむり帽子の秘密がわかったわよ」
 娘のアイリがとびこんできて、新しい魔法品の開発に取り組んでいたギルに、だきついてきました。長男が生まれたときに取りかかったので、かれこれ30年ちかく研究してきたことになります。
 アイリはもう子供ではなく、すっかり成人した大人の魔女です。でも、魔法には興味がないらしく、大学は、普通の人たちが通う大学に通い、ミミズの研究に没頭していました。卒業後は、ある製薬会社の研究所につとめ、ミミズの研究をつづけています。
「とうとう見つけたの。ここのミミズの腸の中には特殊な細菌がいてね、その細菌が作り出す成分が、ここの山ブドウのあのいねむり効果をだしていたのよ。ミミズって、土をそのまま飲み込んで、栄養を吸い取って、うんちといっしょに土を外へ出すでしょ。そのうんちに、すべての秘密があったのよ。」
「うんちだったのか。そいつはすごいな。パパの魔法品も、もうすぐ完成しそうだ。そしたら、こんどは、そっちの研究をしてもらいたいものだな」
「パパ、じゃあ、とうとう山火事つかみ網ができあがるのね。やっと、親の敵討ちができるのね」
「ああ、そうだ。パパのお父さんとお母さんも、よろこんでくれるさ。二人が守ってくれたから、パパはいまも生きていられるのさ。でも、できることなら、生きていてほしかった。いまでも、生きてるお父さんとお母さんに、会いたいんだ」
 以前は、思い出すだけでも、気が狂うほどだったのに、時間がギルの心の傷もいやしてくれたのでしょうか、いまでは、そのことも少し話せるようになっていました。
「覚えておきなさい、アイリ。その内、お前も親になる。そのときは、どんなことがあっても、親は死んじゃいけないんだ。残された子が、ひどく苦しむことになるからな」
「うん、わかった」
 そんなことを話しているところへ、ベスがやってきました。ベスの顔半分には、赤いアザがあります。
「アイリ。いまは仕事中じゃなかったの? こんなところで、油売っていていいのかしら?」
 アイリは、この森のすぐ近くにある研究所で、森の秘密を研究する仕事をしているのでした。
「いま、昼休みだから、ちょっと抜け出してきただけよ。パパにすぐに伝えたいことがあったから。じゃあ、バイバイ」
 外へ飛び出すと、ほうきにのって、アイリは研究所へ戻っていきます。その後ろ姿を見て、
「あの子のほうきの乗り方、あいかわらず下手ねえ」
と、ベスがつぶやきました。それから、
「ねえ、あなた。やはり、この森にいる人たちを避難させましょうか」
 アザに手を当てながら、いいました。
「そうだな。この子たちが、なにが起こるのか、話してくれればいいのだが……」
 ギルもアザに手を当てました。
 四、五日前から、あざが不安にかられているのでした。それも、今までにないくらいの大きな不安におののいているのです。
 ギルとベスは、あざが不安がると、ふたりだけで、いろいろなことを話し合いました。
 あざは、いままでにもたくさん、悪いことを未然に防いでくれていました。
 具体的に何が起きるのか、知ることができません。そこで、ふたりは、いろいろな事態を想定し、いろいろなことを二人で話し合う。このやりかたで、いろいろなことを乗り越えてきたのです。
 たくさんの魔法使いで見張りをするという考えが浮かんだとき、あざの不安が収まったことがありました。そして、その通りにしたら、農薬をいねむりの森に撒こうとこっそりとほうきに乗ってきた魔法使いたちを捕まえたこともありました。
 とんでもなく大きな嵐が近づいてきたときには、どこか別の場所に一時的に逃げようと話したとき、あざのおびえが収まりました。それで、その通りにしたら、いねむり帽子の工房のうらの崖が崩れたことがありました。けが人はだれもでませんでした。
 今回は、いくら話し合っても、あざのおびえがなくならないので、対策の立てようがないのです。
 逃げ出そうと考えると、よけいにおびえるのでした。
 不審者の侵入に備えて、見張りを厳重にしようといっても、おびえるのでした。
 ただ、ギルが山火事つかみ網を完成させようと懸命に取り組んでいるときにだけ、おびえがいくらか弱くなるのでした。
 そこで、山火事対策として、山のあちこちに大きな池の用意もしてみました。でも、それではあざのおびえがなくならないのでした。
 いったい、なにが起きようとしているのか、まったく見当がつきません。
 とにかく用心するにこしたことはないので、ほぼ完成した山火事つかみ網を、外に出して、いつでも使えるようにしました。
「巨大クラゲの足で網を作り、ここのキキョウの葉の汁、カエルの目玉、毒蛇の脱皮した皮などにつけこんで、ようやく完成にこぎ着けた。
 山火事のいかりをすっぽり包み込んで、飲み込んでくれるはずなんだ。
 もっともっと大きくして、いねむりの森をすっぽりと包み込めるだけの大きさのものも、いずれ作ろうと思っているんだ」
 乾燥させてあるので、軽くなっているのですが、それでも山火事つかみ網は、かなりの重さになってしまいました。

「ねえ、あなた。ちょっと、空を飛んでみて、森のようすを見て回りましょうか」
「そうだな」
 二人はほうきに乗ると、ゆっくりと森の上空に出ました。一面に広がる森、その向こうに見える青い海。いまでは、森が、平野の大半を飲み込んでいて、海近くまで広がっていました。太陽が海の方に傾いていました。
 株式会社いねむり帽子の所有する森以外も、ほとんどが森になっていました。
 たくさんの人々が、この森の中に住居を構え、夏は涼しく、冬は暖かい森の中で暮らしています。
 森の上をモノレールが走り、森の枯れ葉が電気の元として使われ、森にすむ虫が貴重なたんぱく質になり、森の外とはちがった生活をしていました。
「あなた、あの雲!」
 ベスが指さした先には、渦を巻くような、太くて黒っぽい柱のような雲があったのです。
「へんな雲だな」
「いやな予感がします。みんなに声をかけて、ここからにげましょう」
「そうしよう。いつもだと賑やかな鳥たちも、どこかへ逃げてしまったみたいだ」
 そう話していた時、森の下の大地が、グオーオーンと音をたてて、ゆれだしました。そして、森のあちこちから伸びている風力発電所のポールが大きくフリコのようにゆれだし、何本かが倒れていきました。
「山火事はだいじょうぶかしら」
 ほうきにのったふたりが、森の上空を飛んで見て回っていると、海の一部が壁のように突然盛り上がりました。
「大変だ。津波が押し寄せてくる。こどもたちを、みんなを、まもるんだ」
 そう叫ぶと、ギルはすごい勢いで、山へ戻っていきます。
「なにをやるつもりなのですか」
 ベスも追いかけていきました。
 二人が戻ったのは、山火事つかみ網のところでした。ギルは杖で網のかたまりを宙に浮かせると、ロープをつかみほうきにのりました。
「ベス、そっちのロープを持ってくれ。これを海に運ぶぞ」
「これで、津波をふせげるのですか」
「ああ、ふせげるはずだ。これは火を消すだけの道具じゃないんだ。地水火風の怒りを鎮めてくれる魔法の網。大自然がときどき見せる、とんでもない怒りを弱めてくれる魔法の網。怒りをわしづかみにして、けっして離さないはずなんだ」
 こんなにも確信に満ちた口調でしゃべるギルを、ベスははじめてみました。
 以前のたよりないギルは、どこにもいません。それでいて、ギルは、少しも変わっていないのです。
「はい」
 ベスは、ロープを一本つかむと、ほうきにのりました。
「ベス、危ないことはないはずだが、あぶないと思ったら、すぐに逃げるんだぞ。ぼくたちはどんなことがあっても、死んじゃいけないんだ。子供を守るために親が死んでしまったら、子供は地獄にいるのと同じ苦しみを味わうんだ。いいな」
「はい、あなた」
 網を大きく広げて、二人は海へむかいました。
 第一陣の津波の壁が、今にも、岸に到着しようとしていました。
「少し高度を下げるぞ」
「はい」
 何十キロ、何百キロもつづく津波の壁を目にすると、自分たちのちっぽけさをつくづくと感じました。
津波の壁が迫ってきたとき、ギルはロープを放しました。ベスも放しました。そして、ふたりとも、高度をあげて、安全な所へ舞い上がりました。
 網はふわりと海へ落ちていき、津波の壁の一部を包み込みました。包みこめたのは、わずか数キロです。
網をかぶせられたところでは、海が、捕らえられた野獣のように暴れまわっていますが、前に進めずにいました。
「あなた。完成ですね」
 ベスが近くに飛んできました。
「一応は完成したみたいだが、失敗だな」
 いねむりの森はどうにか守れそうですが、それ以外のところは、みんな津波にやられてしまっていました。防風林は流され、建物は流され、自動車は流されているところでした。ギルが見ていたのは、そっちだったのです。
「あざは、何日も前から、これを教えてくれていたのに、ぼくは、山火事のことばかりにに気を取られていた」
「こんどは、それを研究しましょう、あなた」
 そう言っているところへ、津波の二陣がおそってきました。
 網に捕まった津波が、また、前に進めずに、網の中で暴れ、もがき、のたうちまわっています。意思をもった生き物のようです。
 とつぜん、ギルのそばをとんでいたベスの姿が消えました。
 見ると、網をつきやぶった海が、太い腕をのばしてベスをひっつかみ、海に引きずり込もうとしていました。引きずり込まれたら、二度と戻れないでしょう。
「ベス!」
 ギルは、やはり自分は呪われていたのだ、と一瞬思いました。自分の大切な人は、自分の巻き添えをくって、命を落としていくのだ、と。
ギルは、
「親は死んではいけないのだ」
と、叫ぶと、網の切れ目へと、ほうきのまま、突っ込んでいきました。自分も親であることを、そのときは忘れていました。

 娘のアイリは研究所の中で、地震にあいました。机からパソコンは落ち、ミミズの飼育槽はこわれ、分析器は台から吹っ飛び、とんでもないありさまです。
 床にこぼれたミミズを拾い集めていると、放送で、
「津波が迫ってきております。全員、落ち着いて、屋上へ避難してください」
というので、ミミズはあきらめて、階段をのぼっていきました。
 屋上に続々と職員があつまってきました。
「あれは、アイリ研究員のお父さんのお母さんではないのですか」
 ふたりは、ほうきにのって、一辺が数キロもありそうな、とんでもなく大きくて白い網を広げて、海に向かって飛んでいるところでした。山火事つかみ網で、なにをしようとしているのかしら、と思っていると、ふたりは網を海に落としました。
 海にできた水の壁が、こちらに押し掛けてきていますが、網のところへくると、壁がそこだけ消え失せてしまいました。
「パパ、やっぱりすごいものを発明していたのね」
 アイリにとって、パパは自慢のパパでした。
 自慢したい気持ちで、
「あれは、山火事つかみ網っていうのよ。パパがいねむりの森を守るため、30年かけてつくりあげたものよ」
アイリは説明しようと思いましたが、同僚の仲間たちがさけびました。
「見てみろ。とんでもないことになってるぞ」
 森には津波は押し寄せませんでしたが、森以外には、すべてを飲み込むようにして、津波が押し寄せていて、研究所も水に囲まれてしまいました。
 アイリは、ほうきにのると、助けを求めている人をさがしはじめました。研究員でほうきを使えるのは、アイリひとりでした。
 流される家にしがみついている人、自動車とともに流される人、そういう人を見つけては、ほうきに乗せ、研究所の屋上へ運んでいると、屋上から、
「アイリ。大変だ。お母さんが、海につかまったぞ」
と、叫んでいました。海に目をやると、ほうきごと、海に突入するギルの姿が、目に飛び込んできました。
「いやあ! パパ、死んじゃいや」
 アイリは、ほうきの上で、叫びをあげました。

 息子のダドも、このとき、ほうきにのっていました。ふたりが、大きな網を広げて空を飛んでいるのを目撃して、あわててほうきに飛び乗り、ふたりのあとを追いかけたのです。なにか、手助けすることがないか、と思ったからです。
 友達のハチたちの集団をひきつれています。
 網のところへようやくたどり着いたとき、目の前で、母親が海に捕まり、引きづり込まれるのを目の当たりにしました。そして、その次に、母親の消えたのところへ父親が飛び込んでいくのを見ました。
「生きててくれ。助け出すから、生きててくれ」
 ダドは、あわてました。山火事つかみ網の下は、どす黒くなった海があって、渦巻き、泡立ち、まるで、何万という軟体動物がからみあい、うごめき合っているみたいで、どこに両親がいるのか、わかりません。
 見つけることができれば、なんとか、魔法で浮かび上がらせることも可能でしょう。
 ダドがぴーっと指笛を鳴らすと、ハチたちが集まりだしました。
「一生のお願いだ。お父さんとお母さんを、この海から探し出してくれ」
 ダドのことばを理解すると、何万というハチたちが、海一面に散らばりました。
 ハチたちは、海の中を覗き込もうとしては、つぎつぎと波に捕まっていきますが、それでもやめようとしません。
「死なないでくれ。お願いだ」
 ほうきにのりながら、ダドは、天に祈りました。

 ベスといっしょに海に飛び込んだギルは、すぐさま、ベスのからだを抱え込みました。怒りにふるえる海は、二人を引き離そうと、すごい力で別々の方へ流そうとしました。
 ギルは、なんとか、ベスだけでも助けようと、海面に出ようともがきましたが、あまりにすさまじい海の怒りにもみくちゃにされ、どちらが上で、どちらが下かもわからないありさまでした。
 自分にはやはり呪いがかかっていたのだ。その呪いとは、自分の愛する者を奪い去るというものです。あの一瞬もやむことのない苦しみの日々を終わらせてくれたのが、この自分には不釣り合いなベス。そう思うと、どうしても、妻だけは助けなくてはならない。そう思うのでした。
 息がしだいに苦しくなってきました。もっても、あとわずかです。心が弱気になってきたとき、ドゥワーン、ゴォワーンとうなる海の音の中に、
「パパ、死んじゃいや」
という娘の声が聞こえました。
 ギルは、生まれたアイリと初めて顔を合わせた時の、この世のものとは思えない笑顔を思い出しました。あのいかにもうれしそうで、信頼しきった、つぶらな瞳。
「アイリに、もう一度会いたいな」
 そう思った瞬間、ギルのやけただれた皮膚が、銀色に光り出しました。
 光だと思ったのは、空気の粒でした。空気が勢いよく皮膚から噴き出して、たちまちにギルとベスを包み込んでいきます。
 ギルは、ベスの背中をたたいて、飲み込んでしまった海水を吐き出させました。
「死なないでくれ。お願いだ」
と呼びかける自分の声に、息子の声が重なってきました。
 ギルは、ハチと無邪気に遊ぶ息子の、はじけるような笑い声を思い出しました。形も重さもない笑い声が、どんな宝石よりも貴いものに思えました。
「あの笑い声、もう一度、聞きたいな」
 そう思ったとき、ギルの皮膚が透明になりました。
 透き通ったと思ったものは、水でした。ギルの皮膚から透明な水がつぎからつぎへと湧きだして、体をつたわって足もとにたまり、その水が空気の周りを包み込みました。
 周りでは、どす黒い怒りの海たちが、透明な水に包まれた空気のかたまりを破ろうと、もみくちゃにしています。
「あなた、これは?」
 息を吹き返したベスが、ギルにしがみつきながら、たずねました。
「ぼくのお父さんとお母さんが最後に使った魔法だよ。」
 あの日、とても大きな山火事はとつぜんおきたのでした。ほうきなど、あっという間に燃やし尽くしてしまい、逃げる手だてを失った両親は、子供だったギルをまもるため、ギルをだきしめた母親は魔法で空気に変わり、そのギルと母親を抱きしめた父親は水になって、ふたりを守ろうとしたのでした。
 ギルはおかげで命は助かりましたが、目の前で、愛する母親と父親が焼け死んでいくのを見なくてはいけない羽目になったのです。
 悪夢にうなされる日々を過ごさなければならなくなったのです。
 海の怒りが静まりだすと、二人を包んだ大きな泡は、上へ上へと向かっていきました。上には網がおおっているので、まだ安心はできないな、と思っていると、大きな泡につつまれた二人は、海面に出ました。
 網はハチたちによって破られ、そして、二人をいれた泡は、しゃぼん玉のように空に舞い上がったのです。
海はすっかり夕暮れで、東の空に、いつもより大きな満月が出かかっていました。そして、薄明かりの中を、ほうきにのったダドとアイリが自分たちの周りを飛んでいて、自分たちの向けて杖をつきだしていました。ハチたちも、いっしょに回っているので、まるで黄色い雲がうずまいているみたいでした。

「ベス、ぼくたちをすくってくれたのは、あの子たちだよ」
「あなたのお父さんとお母さんじゃないのですか」
「たしかに、子供のぼくを救ったのは、お父さんとお母さんだったけど、こんどはちがう。
ぼくのやけどした肌が記憶していた魔法を、あいつらがよみがえらしたんだ。あの二人が、もっともありきたりな魔法で、ぼくらを動かしているんだ」
「あの子たちが、あたしたちに魔法を?」
「覚えているだろう、あの子たちを初めて見たときのことを」
「忘れるものですか」
「あのときに、しあわせそうに笑って、ぼくたちに魔法をかけたのさ」
「そういえばそうね。鳥も、犬も、リスも、いろいろな動物が使うありきたりな魔法ね」
 こども二人が、木や建物を浮かべた海を見下ろしながら、両親をつつみこんだシャボン玉を、研究所の屋上へ運ぼうとしているみたいでした。空気をつつだ透明な水に、満月が映っています。
「みんな、ふじでなによりでしたね」
「ああ」
 ベスは、いつも長いローブを着て、やけどの跡を見せまいとしているギルの手をにぎりました。その手も、やけどの跡がのこっています。
 やけどの跡の残ったギルの皮膚、これほど美しいものは、この世にはないのではないのか。どんな宝石よりも、これほど尊いものはないのではないのか。ベスはそう思いました。
 両親を亡くした苦しみが、いねむり帽子のような素晴らしいものをうみ出していく。
 自分にかかっていると信じていた呪いは、実は呪いではなく、とんでもなく素晴らしい魔法でした。ありきたりの魔法が、どんな魔法よりも信じられない奇跡を起こしていく。
 だれでもが使うありきたりの魔法。息をする。水を飲む。泣いて、笑う。人を好きになり、いずれ別れることとなる。そんなありきたりのことに、たくさんの魔法がひそんでいる。
 そして、それが、ときには、信じられないような奇跡を起こしていく。
 生きていくということは、ありきたりな魔法を、一個一個、ていねいに確認していくことではないのか。そして、おそらくその魔法は、魔法だとも感じられず、ありきたりなこととして、忘れ去られていくのでしょう。
 ベスは、いねむり山に来てからずっと感じ続けていたほこほこした幸せの姿を、はっきりと見た気がしました。
               (おわり)

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by spanky2011th | 2012-07-12 18:21 | 中編 ありきたりな魔法の話