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創設者の志を口に出さない松下政経塾生たち

 昨日の東京新聞の投稿欄に、いまの野田総理の評価を、天国にいる松下幸之助に問う投書が載っていた。そして、消費税を上げようとしているのは、松下さんの考えなのかと問いかけていた。
 これに、お答えします。わたしは、経営の神様の本を熟読しているものではないが、それでも、耳学問で入ってくる知識で知っている範囲でも、そんな考えがなかったのは明白。
 「松下幸之助」「税」だけでグーグルしてみれば、一目瞭然のはず。松下幸之助の基本的な考え方は、会社経営。その根幹の考え方は、税を毎年必要な分だけあつめ、すべて使い切る今の体系を止めさせること。彼が生きているとき、税金を毎年使い切らずに1割程度貯金し、それを別の形で活用すれば、税金を無税にすることは可能だ、と提案したのを覚えている。
 無税はともかくとして、彼は、この提案で、経済評論家たちから凄まじい嘲笑をあびた。バブル期で、今の日本の姿をだれも想像していなかった時代のことだ。
 野田総理は、松下政経塾の一期生ということだが、彼の口から、一度でもこんな考えが出されたことがあるだろうか。いな、政経塾出身者からでも聞いたことがあるだろうか。
 松下氏はさすが経営の神様、国家というのを会社としてみたて、日本の一番まずい点をしっかり押さえいる。
 組織というのは、予算が1兆あれば、それに見合うような規模になっていくのである。翌年、それを一割削るのは、大変なことなのである。その1兆にぶら下がって いる人がたくさんいるからだ。
そして、その組織は、一兆円プラスαを来年度要求するようになる。これを戦後からずっとつづけてきて、日本の国家機構は、ふくれにふくれあがってしまったのだ。
 たとえば、10人の公務員がいたとする。一人一人が、その年に必要な予算を請求し、それを獲得したとする。たまたま、仕事の関係で、1人はその半分しか使わないで済んだとすると、その人は、それをすべて年度内で無駄遣いをしてでも、使い切ってしまう。そうしないと、来年度は予算を削られてしまうからだ。そうすると、来年度は、自分が困ることになる。ある人は、たまたま、突発事故かなにかで、予算オーバーしてしまう。 10人のあいだで融通し合えば十分なのに、それをしないのだ。そして、来年の予算請求は、本年プラスαの数字を出していくのだ。
 ここの仕組みを変えるのが一番の眼目なのだ。
 イオングループの御曹司の政治家が、とつぜん、思いつきで、国家公務員の削減を打ち出してきたが、こんなことで、ふくれあがった組織が縮小できるわけがない。
 あるのは、本来の意味でのリストラ、組織再構築であろう。公務員の首を切らずに、組織を再構築するしかない。そして、使い切らずに、大枠の予算の中で、なんとかやりくりする仕組みを作るしかない。
 それにしても、政経塾の塾生たちには失望させられる。口先ばかりで、志が低すぎる。そもそも、政経塾に入ったのも、政治屋になりたかったので、そのための手段として、学びながら給料をもらえる政経塾にはいったのではないのか、と疑りたくなるくらいだ。

by spanky2011th | 2012-04-20 11:55 | 世相 妄想随談